ヘルペスの感染経路はセックスだけじゃない?
2019年10月04日
ヘルペスは、ヘルペスウィルスと呼ぶ細菌が皮膚や粘膜に感染して生じる疾患の総称です。水ぶくれの症状が起きるのが特徴で、唇の周りに水ぶくれが生じるものを口唇、性器やお尻の周りに水ぶくれができるものを性器ヘルペスと呼びます。口唇および性器ヘルペスは単純疱疹に含まれるもので、単純疱疹以外にも帯状疱疹もヘルペスウィルスによる疾患です。ちなみに、帯状疱疹はお腹から背中にかけて水ぶくれの症状が起きるのが特徴で、病気などによる免疫力低下が原因になる、帯状のものだけでなく、水疱瘡のように水ぶくれが全身に生じることがある、などの特徴を持ちます。性器ヘルペスの原因は性的な接触によるもので、性行為によりウィルスが感染するなどの特殊な感染経路を持っています。ただし、性的な接触以外にも意外な感染経路があることを把握しておくことが大切です。たとえば、洋式トイレの便座から感染することもあるので、公衆トイレを使う時などは便座を殺菌することができるグッズを持ち歩くのも予防方法として効果的です。また、家のトイレの場合も家族間で便座から感染することもあるなど、衛生的に保つことが最大の予防方法といっても過言ではありません。性行為による感染経路の場合は、避妊具を使うことなどで予防ができます。独身の時代には多くの異性との性行為を経験される人も多いかと思われますが、パートナーとの性行為を行う時には、コンドームを使うことが大切です。ちなみに、性感染症の中でも多いと言われているのがクラミジアなのですが、性器ヘルペスはクラミジアに続き発症される人が多い性感染症です。日本の中での患者さんの数は不明確ではあるのですが、欧米諸国においては5人に1人、自覚症状がある場合でも性感染症になっていることに気が付かない人も多いようです。なお、ヘルペスは7日から10日で自然治癒すると言われていますが、自然治癒は免疫力によるものですから、免疫力が低下している場合には自然治癒も難しくなります。性器ヘルペスは男性よりも女性の方が多い、若い世代ほどその数は増えると言われていますし、放置すると後遺症が残ることもある、予後が良くないこともあるなど、早目の受診および治療が必要な疾患です。治療を行うと同時に心掛けておきたいことは、疲れやストレスが加わらない生活を心掛ける点です。疲れやストレスは免疫力を低下させることに繋がりますので、栄養と睡眠を充分とることなどが大切です。